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運転者に対する指導監督が義務になっているようだけど、具体的にどうすればいいのかな?
説明します。
一般的な指導及び監督の指針の解説(概要版)
指導及び監督において、以下の内容を運転者に指導し、認識を 共有すること により、これを徹底しましょう。
これらの内容は、交通事故の発生状況等に応じて、適宜見直しましょう。
指導 及び監督を実施する際には、 これらの内容を 一年間で 確実に 実施しましょう。
新たに雇い入れた者(初任運転者)に対しても、当該事業者において初めてトラックに乗務する前にこれら全ての内容を実施することが必要です。
指導及び監督を 行った日時、場所及び内容 並びに 指導及び監督を行った者及び受けた者を記録し、 かつ 、その記録を営業所において3年間保存することが 義務付けられています 。
Ⅰ.トラックを運転する 場合の 心構え
(1)トラック輸送の社会的重要性
トラック輸送は、日本経済を支える物流基盤として、緊急・救
援物資輸送を行うライフラインとして社会的に重要な役割を果
たしているとの自覚を 促しましょう 。
(2)トラック事故の社会的影響
トラックの大きな車体は、大きな事故を引き起こす可能性があり、また、道路交通量の中でトラックの走行は大きな割合を占めているため、トラック事故が社会に与える影響の大きさを理解できるよう説明しましょう。
(3)交通事故統計 を用いた 教育
トラック による交通事故の発生傾向 を 把握し、交通事故抑止のためにより一層の努力が必要であることを 共有しましょう 。また、 事業者 ごと に 運んでいる 荷物や 走行する経路が違うことから 自社や関係地域 における事故の発生状況を 調査 ・分析し、事故の実例を指導監督に活用することが 必要です。
(4)) 安全運行の心構え
● トラックの運転が他の運転者に与える影響の大きさ
トラックは、一般の乗用車などから見れば、車体の大きさ、長さなどの違いから、恐怖の対象と見られかねません。相手の立場に立った運転を心がけさせましょう。
● 模範となる運転者としての心構え
トラック運転者は、プロの運転者であるからこそ、模範となる運転者として、他の運転者の手本となるべき、安全でマナーの良い運転を心構えとして持たせましょう。
Ⅱ.トラック の運行の 安全を確保する ために遵守すべき 基本的事項
(1)トラック運行に係る法令
● 貨物自動車運送事業に係る法令
貨物自動車運送事業に係る法令としては、「貨物自動車運送事業法」などの法令がありますが、これらの法令の概要や運転者が遵守すべきポイントに関する運転者の理解度を確認しましょう。
● 自動車 の 運転 に係る法令
自動車の運転に係る法令としては、「道路交通法」などの法令がありますが、これらの法令の概要や運転者が遵守すべきポイントに関する運転者の理解度を確認しましょう。
(2)義務を果たさない場合の影響の把握
トラックの運転者が法令による義務を果たさない場合に生じる交通事故の実例を説明することなどにより、義務を果たすことの重要性を理解するよう 指導しましょう 。
Ⅲ.トラック の構造上の特性
(1)トラックの特性に合わせた運転
トラックは、車高が高い、車長が長い、車幅が広い、死角が大きい、スピードの影響が大きいなどの特徴があることを十分理解させ、法定速度の遵守、十分な車間距離の確保、右左折時の十分な減速などの運転を徹底するよう 指導しましょう 。
(2)トレーラの特性に合わせた運転
トレーラは、トラックと比較して内輪差や死角が大きいだけでなく、横転しやすい特徴、また、ジャックナイフ現象などの特有の現象 について 事故事例 を説明する等して 、急のつく運転はせず、ブレーキには特に注意した 慎重な運転を心がける よう指導しましょう。
(3)貨物の 特性を 理解した運転
貨物積載時と空車時では 運動性能 等に違いが生じること や 、高重心の貨物や液体貨物 の 積載時には 横転の 危険性が 増すなど 、貨物の 内容や 特性により 適切な 運転を行うことが必要であること について 理解を深めましょう。
Ⅳ.貨物の正しい積載方法
(1)偏荷重の危険性
偏荷重が発生する要因は、積荷の積み方や固縛が十分でないことによる、運行中の荷崩れによるなどが挙げられ、偏荷重が発生すると、車体に負荷がかかるなどの危険性が高いことを、事故事例を説明する等して理解するよう指導しましょう。
(2) 安全輸送のための積付け・固縛の方法
積載制限として、長さ・幅・高さなどの制限が規定されているなど、積載のルールが定められており、積荷の形状に合わせ、正しい方法の積付け・固縛を行うことが必要であることを、事故事例を説明する等して理解させ、ルールを遵守して偏荷重 の起こらない積付けを行 うことの必要性を 指導しましょう。
(3) 荷崩れ防止のための走行中の注意点
荷崩れが起こった場合の危険性について 事故事例を説明する等して理解させ、慎重な走行を 心がけることが必要です 。
・ハンドル操作をゆっくりとする(急なハンドル操作はしない)
・余裕をもった運転で、急ブレーキはかけない。
・走行の途中には必ず積荷の固縛の状態を点検します。
・高速道路では特に固縛をしっかりとし、積荷に配慮した運転をします。
Ⅴ.過積載の危険性
(1) 過積載による事故要因と社会的影響過積載によって、車両は事故を招きやすい状態となることを事故事例を説明する等して理解させ、過積載によって生じる事故は社会的影響が大きく、危険 について理解を深め、過積載運行を行ってはならないとの意識を形成しましょう 。
(2) 過積載による罰則
過積載運転により、運転者には違反点数・罰金又は反則金などの罰則が科せられ、過積載と認められた場合には、警察による措置に ついて確認 しましょう。
(3) 過積載の防止
積載量の制限は、車両によって異なることから、これを正しく理解し、適正な積載量での運行が必要であることを認識するよう指導しましょう。
Ⅵ.危険物を運搬する場合に留意すべき事項
(1) 危険物の性状
危険物に対する正しい知識として、危険物の種類、その危険性、その性状などについて
理解させるとともに、 危険物の 性状に合わせた対処方法を 含めて、運転者の理解を深め ましょう 。
(2) 危険物輸送の基本事項
危険物の輸送には、危険物取扱の資格が必要となり、運転にあたっては、安全確認を十分に行い、必要な備品、携行品を確認する よう運転者に周知・徹底しましょう。 万が一、事故が 起こった 場合には、適切な処置を行い、被害を拡大させないこと の重要性を指導を通じて確認しましょう 。
(3) タンクローリー運行上の注意事項
特に、タンクローリーは、危険物を運搬している場合が多く、また横転の危険性が高いことから、十分に注意し、慎重に運行することが必要であることを、事故事例を説明する等して 指導を通じて確認 しましょう 。
Ⅶ.適切な運行の経路及び当該経路における道路及び交通の状況
(1) 適切な運行経路の選択と経路情報の把握
安全な運行を行うためには、運行前に道路状況、気象状況、
事故危険 箇所 や ヒヤリハット等の危険地点などの情報の入手、安全な経路の検討などを行う必要があ り 、適正な運行経路の選択 の必要性を実感できるような指導を心がけ ましょう 。
(2) 許可運送における経路選択
許可運送は、規定法令の制限を超えた積載物を運送するため、特殊な運行となり、許可証の携行、指定条件の遵守、道路状況の事前確認などが必要であることを 周知徹底 しましょう 。
Ⅷ.危険の予測及び回避 並びに 緊急時における 対応方法
(1) 危険予測運転の必要性
事故を起こさない運転をするためには、「危険の予測」即ち、見えない危険を読む力をつける、相手の特性を理解する、気象状況や周囲の状況に目を配ることが必要である 意識 を、事故事例 の説明を通して共有し、運転者の理解を確認しましょう 。
(2) 危険予測のポイント
道路には、歩行者、自転車、二輪車・ 原付、他の車両などが行き交っていますが、それぞれの行動特性を理解することで、走行時に配慮ができ、事故を回避する運転が 可能となることを、運転者は指導を通して確認し、今後の運転に生かしましょう 。
また、悪天候や夜間においては、事故発生のリスクが高まります。どのようなリスクがあるのかを理解することで、危険への配慮とともに、慎重な運転の心がけにより事故が回避できることを指導しましょう 。
(3) 危険予知訓練
「危険予知訓練」は、実際に、トラック運行の交通場面では 、どのような危険があるか、どのような運転をすれば よいのかを考える訓練です。集団教育等に活用し、運転者に危険回避方法などを指導しましょう。
(4) 指差呼称 及び安全呼称
日常点検や 運転行動 、 固縛作業を 一人ひとりの運転者が 確実に実施する ために 、「 指差呼称 」 や 「安全呼称」を習慣 化す ることが 有効 であることを 指導しましょう。
(5) 緊急時における 適切な対応
●交通事故や 車両故障 が 発生した際の対応
交通事故が発生した 場合には 、運転者は即座に 「負傷者の 救護 」、 「 道路上の危険の除去 」 、「 警察への報告 」 、 「 事業者への 報告」 等を 行わなければならないことを指導しましょう。
● 自然災害の 発生に備えた対応
大雪、地震等の 自然災害の発生に備えた平常時からの気象状況等 の収集・把握 から 自然災害に遭遇した際の対処方法に関 する指導を行うことが大切です 。
Ⅸ.運転者の運転適性に応じた安全運転
(1) 適性診断の必要性
「運転者適性診断」は、事故惹起運転者、初任運転者、高齢運転者が受診することが義務付けられています。また、一般運転者に対しても、運転者のくせを科学的に測定できることから、運行の安全確保に役立っています。運転者の診断を徹底して励行させ、診断結果を日々の指導や教育時などに活用するとともに、運転者には結果を真摯に受け止め、自覚させることが大切です。
(2) 適性診断結果の活用方法
運転者適性診断の結果は、それぞれの運転者が適性に応じて、配慮すべき事項はさまざまとなります。診断結果を活かして、自分のくせを理解・克服するよう、指導・監督を行っていくことが必要です。
Ⅹ.交通事故に関わる運転者の生理的及び心理的要因とこれらへの対処方法
(1) 交通事故の生理的・心理的要因
事故の原因となる生理的・心理的要因としては、過労状態や睡眠不足であること、飲酒、運転技能への過信、あせる気持ち、興奮状態などさまざまであり、どういう状態がこのような要因を生むのか、運転にどのような影響を及ぼすのかを事故事例を説明する等して詳しく指導しましょう。
(2) 過労運転防止のための留意点
「自動車運転者の労働時間等の改善のための基準」に規定されている拘束時間・休息期間を遵守するとともに、早めの休憩をとり休憩時には身体を動かす、2時間に1回は15分以上の休憩をとるなど、過労とならない運転を心がけることが必要なことを説明しましょう。また、日常生活も運転に影響を及ぼします。健康管理を怠らないだけでなく、疲労や悩みを運行に持ち込まないことが必要であること、良い睡眠をとることは事故防止に不可欠であることを、過労による事故事例を説明する等して指導し、運転者に徹底を促しましょう。
(3) 飲酒や 薬物の影響による危険運転防止のための留意点
体内に入ったアルコールはすぐには消えません。乗務予定を正確に把握し、乗務前日からは飲酒、酒量を控えることが必要なことを認識するよう指導しましょう。多量飲酒の傾向がある運転者に対しては、アルコール依存症の危険性についても認識させましょう。
(4)ヒューマンエラーを 防ぐために
普段何気なく行ってしまう事故等につながるような動作について、道路交通法等の関係法令において禁止されている事項を確認しながら指導するとともに、運転席付近に置いたものが運転者の視界や操作の妨げとなり事故の要因となることがあるため、注意を呼び掛けましょう。また、運行管理者は、焦り、イライラ、疲れの状態がヒューマンエラーの要因になることを認識し、余裕を持った運行計画を立てましょう。
Ⅺ.健康管理の重要性
(1) 健康起因の事故と健康管理の必要性
疾病が要因の交通事故が多くなっています。特に、脳や心臓の疾患、糖尿病などを要因としている事故が多く、心臓疾病は運転者の死亡率も高くなっています。
併せて、運転者に対するメンタルヘルス不調の予防対策が求められています。心身の健康管理のためには、定期的な健康診断およびストレスチェックの受診を徹底させ、注意事項が指摘された場合には、必ず適切な治療をするよう指導しましょう。
(2) 健康管理のポイント
心身の健全を保つと同時に、プロの運転者として規則正しい生活を心がけ、自己の健康を管理していくことが大切であることを徹底して指導しましょう。
運行管理者は、運転者に対して、疾病の運転に対する影響、体調の異常を感じた場合の対応などについて指導の徹底を図っていくことが必要です。
Ⅻ.安全性 の向上を図るための 装置 を 備えるトラックの適切な運転方法
(1) 安全性の 向上を 図るための装置 (以下、 「 運転支援装置 」) に 係る事故の事例
運転支援装置に関する性能の理解不足や過大評価により事故が発生する可能性があることを、事故の事例を説明することにより指導しましょう。
車両メーカー毎に性能に違いがあることや一般的な認識と正確な性能や作動条件には
違いがあることを知ることが 重要です 。
(2) 運転支援装置の 性能 および 留意点
衝突被害軽減ブレーキ等の代表的な装置の説明に加え、自社の車両に搭載されている運転支援装置の性能や適正な使用方法を説明しましょう。
これらを1年間で実施し、記録を保存しなければなりません。
結構難しそう。これは専門家に教えてもらった方がほうがよさそうだ...
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