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国土交通省の監査はどのようなときに実施されるのかな?
令和2年11月18日に出された通達に細かく定められております。説明します。
基本方針
(1)自動車運送事業者(一般貸切旅客自動車運送事業者を除く。以下「事業
者」という。)に対する監査は、自動車運送事業等監査規則(昭和30年運輸省令第70号)によるほか、本方針により実施するものとする。
(2)事業者に対する監査は、輸送の安全の確保が最も重要であるという基本的認識の下に行うこととし、運行管理者又は整備管理者を選任していない、運転者に対して全く点呼を実施していない、営業所に配置している全ての事業用自動車の定期点検整備を実施していない等輸送の安全確保に支障を及ぼすおそれのある重要な法令違反の疑いがある事業者を優先的に対象とするほか、過去の監査、行政処分等(営業区域の廃止に係る事業計画の変更命令、事業の停止処分、自動車等の使用停止処分、警告、勧告をいう。
以下同じ。)の状況、利用者等からの苦情等を踏まえ、事故の未然防止及び法令遵守の徹底を図ることを目的として、効果的に実施するよう努めるものとする。
(3)事業者に対する監査は、道路運送法(昭和26年法律第183号)第43条の2第1項に規定する旅客自動車運送適正化事業実施機関及び貨物自動車運送事業法(平成元年法律第83号)第38条第1項に規定する地方貨物自動車運送適正化事業実施機関との連携により、監査及び指導の充実及び強化を図るものとする。
(4)貨物自動車運送事業においては、元請事業者(下請事業者となる一般貨物自動車運送事業者又は特定貨物自動車運送事業者の行う実運送を利用して運送を行う一般貨物自動車運送事業者又は特定貨物自動車運送事業者をいい、下請事業者の実運送を直接利用して運送を行う者のほか、元請事業者を利用して運送を行う者を含む。以下同じ。)の下請事業者に対する輸送の安全の確保を阻害する行為の排除を視野に入れた監査を実施するものとする。
(5)事業者に対しては、監査のほか、呼出指導の実施を通じて、法令遵守意識の醸成を図るよう努めるものとする。
監査の種類
事業者に対する監査の種類は、次のとおりとする。
(1)特別監査
引き起こした事故又は疑いのある法令違反の重大性に鑑み、厳格な対応が必要と認められる事業者に対して、全般的な法令遵守状況を確認する監査を特別監査とする。
(2)一般監査
特別監査に該当しないものであって、3.に掲げる監査を実施する端緒(以下「監査端緒」という。)に応じた重点事項を定めて法令遵守状況を確認する監査を一般監査とする。
(3)街頭監査
事業用自動車の運行実態等を確認するため、街頭において事業者を特定せずに実施する監査を街頭監査とする。
監査対象事業者
特別監査及び一般監査は、次に掲げる事業者を対象とする。この場合、当該事故又は当該違反が社会的影響の大きいもの又は悪質なものである場合には特別監査を実施するものとし、それ以外の場合には一般監査を実施するものとする。
なお、一般監査を実施した事業者において、全般的な法令遵守状況を確認する必要があると認められた場合は、特別監査に切り替えるものとする。
① 旅客自動車運送適正化事業実施機関、地方貨物自動車運送適正化事業実施機関及びタクシー業務適正化特別措置法(昭和45年法律第75号)第34条第1項に規定する適正化事業実施機関(以下「適正化事業実施機関」という。)や利用者等からの情報、街頭監査や事業用自動車への添乗調査(事業用自動車に添乗(乗車)して運行状況等を確認する調査をいう。)の結果等により、法令違反の疑いがある事業者
② 事業用自動車の運転者(選任運転者に限らず、事業用自動車を運転した者をいう。以下同じ。)が第一当事者(最初に事故に関与した車両等の運転者のうち、当該事故における過失が最も重い者をいい、また、過失が同程度の場合には人身損害程度が軽い者をいう。以下同じ。)と推定される死亡事故を引き起こした事業者
③ 事業用自動車の運転者が悪質違反(救護義務違反(ひき逃げ)、酒酔い運転、薬物等使用運転、妨害運転、無免許運転、酒気帯び運転、過労運転、無資格運転、無車検運行及び無保険運行をいう。)を引き起こした又は引き起こしたと疑われる事業者
④ 行政処分等を受けた際に事業の改善状況の報告を命じられた事業者であって、報告のための出頭を拒否したもの、改善報告を行わないもの又は報告内容から事業が改善されたと認められない事業者⑤ 適正化事業実施機関が行う巡回指導を拒否した事業者
⑥ 都道府県公安委員会、都道府県労働局、道路管理者等からの通知又は通報により、法令違反の疑いがある事業者
⑦ 労働関係行政機関又は日本年金機構から、労働者災害補償保険、雇用保険、健康保険又は厚生年金保険に加入していない旨の通報があった事業者
⑧ 労働関係行政機関から、最低賃金法(昭和34年法律第137号)に違反している旨の通報があった事業者
⑨ 自動車事故報告規則(昭和26年運輸省令第104号)第2条に定める事故であって、同規則の別記様式による自動車事故報告書(以下「事故報告書」という。)の「事故の原因」及び「事故の種類の区分」が同一であるものを3年間に3回以上引き起こした事業者
⑩ 事故報告書、旅客自動車運送事業等報告規則(昭和39年3月31日運輸省令第21号)第2条第1項に規定する事業報告書及び輸送実績報告書、同規則第3条第1項の規定により求められた臨時の報告書、貨物自動車運送事業報告規則(平成2年11月29日運輸省令第33号)第2条第1項に規定する事業報告書及び事業実績報告書並びに同規則第3条第1項の規定により求められた臨時の報告書(以下「報告書等」という。)について、以下に該当する事業者
ア所定の期限までに報告書等を提出しなかった事業者
イ報告書等に虚偽の内容を記載した疑いがある事業者
ウ報告書等に記載された内容に法令違反の疑いがある事業者
⑪ 事業用自動車の車両火災事故(旅客自動車に限る。)、ホイール・ボルトの折損による車輪脱落事故又は整備不良に起因すると認められる死傷事故を引き起こした事業者
⑫ 新規許可又は事業の譲受の認可を受けた旅客自動車運送事業者(譲り受けた事業と同種類の旅客自動車運送事業を既に経営している事業者を除くことができる。)
⑬ 事業計画の変更により、事業規模の拡大(営業区域の拡大、増車)を行った旅客自動車運送事業者(3年以内に法令違反がない事業者を除くことができる。)
⑭ 長期間、監査(街頭監査を除く。)を実施していない事業者(適正化事業実施機関による巡回指導があった事業者及び全国貨物自動車運送適正化事業実施機関が行う安全性評価事業による安全性優良事業所に認定されている事業者を除くことができる。)
⑮(削除)
⑯ 「一般乗用旅客自動車運送事業の運賃料金の認可の処理方針について」(平成13年10月26日付け国自旅第101号)に基づく自動認可運賃の下限を下回る運賃により事業を営んでいる一般乗用旅客自動車運送事業者であって、定期的な報告の提出を行わない、又は当該報告内容により法令違反の疑いがあるもの
⑰ 貨物自動車運送事業者の輸送の安全確保義務(貨物自動車運送事業法第17条第1項から第4項まで、第18条第1項又は第22条第2項若しくは第3項に規定する輸送の安全を確保するために遵守すべき事項をいう。以下同じ。)違反が認められた場合であって、当該違反への関与が疑われる元請事業者
⑱ 貨物自動車運送事業者の輸送の安全確保義務違反について、元請事業者に対する下請事業者等からの苦情等により、監査を行うことが必要と認められる元請事業者及び下請事業者
⑲ 道路運送法第35条第1項又は貨物自動車運送事業法第29条第1項の規定による管理の受委託の許可を受けた事業者であって、受託者に法令違反の疑いがある委託者たる事業者
⑳ 監査を受けた後又は②若しくは③に該当する事故若しくは違反が発生した後、行政処分等までの間に事業用自動車等を移動させた事業者及びその移動先事業者であって、監査を行うことが必要と認められる事業者
㉑7.の呼出指導の対象となったにもかかわらず、正当な理由なくこれに応じない事業者
㉒行政処分等を受けた際に、事業の改善状況の報告を命じられた事業者
㉓その他事故、法令違反、事件、苦情等の状況を勘案し、監査を行うことが必要と認められる事業者
監査対象事業者の把握
(1)運輸支局、運輸監理部及び沖縄総合事務局(以下「運輸支局等」という。)は、当該管内の事業者に係る監査端緒に関する情報に基づいて、優先的に監査を実施すべき事業者及び法令違反の状況を踏まえて継続的に監視すべき事業者を適切に把握しておくものとする。
(2)運輸支局等(沖縄総合事務局を除く。)は、随時、(1)により把握した事業者に関する情報を地方運輸局と共有するものとする。
なお、把握した事業者が他の運輸支局等の管轄区域内に営業所を有する場合、地方運輸局は当該運輸支局等に対し、当該事業者に係る情報を提供するものとする。
(3)(1)により把握した情報及び(2)により共有又は提供された情報は、行政機関の保有する情報の公開に関する法律(平成11年法律第42号)第5条第6号イに該当する不開示情報であることから厳格に取り扱うものとする。
監査の実施方法等
(1)監査の実施に当たっては、各地方運輸局の自動車交通部、自動車監査指導部及び自動車技術安全部並びに各運輸支局(運輸監理部を含む。)が連携して、効率的、効果的な実施を図るものとする。
(2)監査は、4.において把握した情報を踏まえ、輸送の安全確保に支障を及ぼすおそれのある重要な法令違反の疑いがある事業者から優先的に実施するほか、社会的影響が大きい事故又は違反が発生した場合には速やかに実施するものとする。
また、適正化事業実施機関からの速報があった場合には、その趣旨に留意して実施するものとする。
(3)監査は、大別して次の方法により実施するものとする。
① 臨店による監査(事業者の営業所その他の事業場又は事業用自動車の所在する場所に立ち入って実施するもの(③を除く。))
② 呼出による監査(当該事業者の代表者若しくはこれに準ずる者又は運
行管理者等事業運営の責任者(以下「代表者等」という。)を地方運輸局又は運輸支局等へ呼び出して実施するもの)
③ 街頭監査(事業用自動車の所在する場所へ立ち入って実施するものであって、バスに係る発着場等街頭において実施するもの)
(4)臨店による監査及び街頭監査は、無通告により実施するものとする。ただし、無通告で行うことにより監査の実施に支障があると判断される場合にあっては、監査実施前日に通告できるものとする。
(5)次のいずれかの場合は、呼出による監査を実施することができるものとする。
① 3.㉒の事業者の監査を実施する場合
② 監査端緒により確認する事項が限定的であり、臨店によらなくても支障がないと判断される場合
(6)3.㉒の事業者の監査は、行政処分等を行った日から原則として3月以内に実施するものとする。
(7)監査(街頭監査を除く。)の結果、法令違反の事実を確認した場合は、原則として、当該事業者の代表者等に当該事実を確認させ、当該事実に相違ない旨の書面を取り付けるものとする。
(8)監査は、本省権限に係る事業の停止又は許可の取消処分が予想される場合等、特に必要と認められる場合を除き、運輸支局等又は地方運輸局が実施するものとする。
監査の重点事項
監査(街頭監査を除く。)は、次に掲げる事項を重点として実施するものとするが、監査端緒に応じてこれらのうち必要な事項又はその他必要な事項を重点として実施するものとする。
① 事業計画の遵守状況
② 運賃・料金の収受状況
③ 損害賠償責任保険(共済)の加入状況
④ 自家用自動車の利用、名義貸し行為の有無
⑤ 社会保険等の加入状況
⑥ 賃金の支払い状況
⑦ 運行管理の実施状況
⑧ 整備管理の実施状況
呼出指導
(1)3.の事業者のほか、指導が必要と認められる事業者に対して呼出指導を行うものとする。
(2)呼出指導は、事業者に自主点検表を提出させて行うものとする。この場合、当該自主点検表の様式は、各地方運輸局において作成するものとする。
なお、呼出指導を行う場合、必要に応じ集団指導を行うことができるものとし、事業者に自主的に事業の点検を行わせ、法令遵守事項等の説明を行うとともに、独立行政法人自動車事故対策機構等の制作による輸送の安全確保に関する映画、ビデオ等を放映する等により、効果的に行うものとする。
(3)呼出指導の対象となったにもかかわらず、正当な理由なくこれに応じない事業者に対しては、監査を実施する等適切に対応するものとする。
監査の結果、車両停止などの行政処分を受けたり、事業停止されることもあります。
結構難しそう。これは専門家に教えてもらった方がほうがよさそうだ...
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