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運転者の脳血管疾患が増えているようだけど?
そうなんです。国土交通省の「自動車運送事業者における脳血管疾患対策ガイドライン」において、下記のとおり示されております。
運転中に 脳血管疾患 を発症すると・・・
意識障害、運動麻痺により事故回避措置が取れず、
重大事故を引き起こす原因になりかねません!!
発症する前の脳血管の異常の『早期発見・早期治療』が重要です。
社内での 脳健診の活用 を検討し、運転者が健康で安全に業務ができる職場環境にしましょう。
どんな症状?
<脳血管疾患の主な初期症状>
運転者にこのような症状が見られたら、
すぐに専門医療機関で受診させるようにしましょう。
〇意識の異常
・意識がもうろうとする
・反応が鈍い
〇眼の異常
・片方の目が見えない
・視野が半分になる
・ものが二重に見える
〇めまい、頭痛
・吐き気や嘔吐を伴うことがある
〇言葉の異常
・ろれつが回らない
・言いたいことをうまく言えない
〇手足の異常
体の半分が
・うまく動かない
・麻痺、しびれ
・いつもと違う感覚
どのようにして起きる?
<脳の血管が詰まることによって起きるもの>
〇脳梗塞
・脳の動脈が詰まることで血液が脳内に行き届かなくなり脳細胞が死に至る
<脳の血管が破れることによって起きるもの>
〇脳出血
・脳の血管が何らかの原因で破れて起こる
〇くも膜下出血
・主に脳の表面にある太い動脈に生じたコブ(脳動脈瘤)が破れることにより起こり、急死することもある
原因と予防法は?
脳血管疾患の予防のため、事業者は、通常の健康診断等を通じて、運転者の健康状態や疾患につながる生活習慣の適切な把握、管理に努めましょう。
また、定期健康診断や人間ドックだけでは、脳血管の異常を発見することは難しいと言われています。脳健診を受診させることにより、早期発見に努めましょう。
<脳血管疾患の主な原因>
脳梗塞 ← 生活習慣に起因する脳動脈硬化 ← 高血圧、脂質異常症、糖尿病、喫煙
脳出血 ← 高血圧
くも膜下出血 ← 脳動脈瘤の破裂 ← 発症するまで予見できない(脳健診で脳動脈瘤を発見し処置を行うことでしか予防できない)
<脳血管疾患の予防法>
健康診断 : 血圧測定、血液検査、心電図検査で危険性を把握
脳健診 : 脳ドックや脳MRI健診により、兆候や危険因子を早期に発見
生活習慣の改善 : 禁煙、過度の飲酒を控える、バランスの良い食事、適度な運動、肥満の予防
薬剤の服用(危険因子の治療) : 高血圧、糖尿病、脂質異常などがあり、生活習慣を改善してもよくならない場合、治療薬を継続して服用
脳健診とは?
脳健診には、「脳ドック」や「脳MRI健診」があります。
〇「脳ドック」
頭部MRI・MRA検査を中心に、各種検査を組み合わせて、脳梗塞、脳出血、脳動脈瘤の有無の他、脳血管疾患の兆候や危険因子を発見できます。
(参考:5~6 万円程度 ※施設により異なります)
〇「脳MRI健診」
頭部MRI・MRA検査のみを行う、簡易なスクリーニング検査で、比較的短時間・安価で、脳梗塞、脳出血、脳動脈瘤の有無が確認できます。
(参考:2 万円程度 ※施設により異なります)
脳健診はどういう人が受けた方がよいか?
できるだけ多くの運転者を対象とすることが望ましいのですが、右の図に該当するようなリスクの高い人から優先して受診させましょう。
一度受診をし、「正常」であっても、3年に1回程度を目安として受診させることが推奨されます。
脳健診後はどうするか?
運転者が受診した脳健診の結果及び医師の所見については、事業者や運行管理者も把握するよう努め、専門医の受診が必要とされた場合は、期限内に確実に受診させるようにしましょう。
<脳健診の受診結果の判定例>
異常所見あり(緊急性あり) ➡ 一時運転業務を控え、精密検査(1か月以内)
異常所見あり(緊急性なし) ➡ 精密検査(3か月以内)
異常所見の疑いあり ➡ 1年後を目安に脳健診を再受診
正常 ➡ 3年に1回程度脳健診を再受診
事業者がとるべき対応は?
<脳健診・専門医の受診の結果を踏まえた対応>
運転者の脳健診、精密検査、治療等の結果を踏まえ、医師の指示に従って、勤務時間の変更や業務の配置転換など就業における配慮を適切に行いましょう。
ただし、就業上の措置については、運転者に対し不当に差別的な扱いをしてはいけません。
※医師から得るべき情報・指示
〇業務上の留意点 〇適切な勤務体系 〇今後の健診等に関する情報
《例》
◆長距離・夜間運行は控える
◆再検査や継続的な治療を受けるための休暇取得が可能な勤務シフトを設定する
◆運転を伴わない勤務に配置転換する
※医師の指示を受けるにあたっては、運転者の業務の特殊性について、医師に説明し、医師の理解を十分に得ておく必要があります。
<発症者への対応>
定期健康診断や点呼等により、脳血管疾患が疑われる運転者には、できるだけ早く専門医療機関での精密検査や治療を受けさせましょう。
脳血管疾患は、発症後できるだけ早く治療にとりかかることが重要です。職場内での各従業員に対する周知や教育も実施しましょう。
発症者への速やかな対応のために下記が重要となります。
・運転者への教育(疾患の前兆、自覚症状を自ら発見)+申告しやすい環境づくり
・運行管理者等による日々の点呼、定期健康診断の結果
・全従業員への教育(職場内での発症者の発見)
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