過度の負担は減らして、ガッツリ稼いでください! 運送業の皆様は、日々お忙しく事業経営を行われております。 また一方で、膨大な書類作成・保管が義務付けられています。 この際、面倒なことは経験豊富な専門家にお任せください。「餅は餅屋」です。 電話、お問合せフォームからお気軽にご連絡願います。
改善基準告示ってそもそも何なの?
説明します。
改善基準告示とは、いったい何なのでしょうか?
正式には、「自動車運転者の労働時間等の改善のための基準(平成元年労働省告示第7号)という名称で、長時間労働の実態にあるトラックなどの自動車運転者について、労働時間等の労働条件の向上を図るため、労働基準法に基づく労働時間規制とは別に、その業務の特性を踏まえて拘束時間、休息期間、運転時間等の基準を定めたものです。自動車運転者の長時間労働の改善は、労働者自身の健康確保のみならず、国民の安全確保の観点からも重要です。
この基準を守るためには、運行管理者とトラック運転者が、改善基準告示の重要性と内容を理解する必要があります。
時間外労働の上限規制とは?
トラック輸送は、我が国の経済活動を持続させるために、必要不可欠な社会インフラです。しかし、物流拠点での積み下ろし待ちや長時間の運転により、時として長時間労働になることもあります。また、EC市場の急拡大による再配達も、トラック運転者の負担になっています。
トラック運転者の長時間労働は、疲労の蓄積により健康を損なうだけでなく、またそのことを起因とした交通事故や予期せぬ災害に発展することなどから、未然に防ぐ必要があります。
そのため、令和6年4月からトラック運転者にも、時間外労働の上限を定めた労働基準法上の規制(時間外労働の上限規制)が適用されます。
【時間外労働の上限規制の概要】
●自動車運転者の時間外労働の上限は、原則として月45時間・年360時間となります。
●臨時的な特別な事情があって労使が合意する場合でも、時間外労働の上限は年960時間となります。
なぜ、改善基準告示が必要なのか?
持続的な企業経営は利潤追求だけで実現するものではなく、お客様視点に立ちつつ、社会的責任を果たすことも、大切な取組のひとつです。
そのような中、運行管理者が、改善基準告示を守らなければどうなるでしょうか?
過労運転による事故が多発し、お客様からの信頼を失うことで、結果、企業活動そのものを持続することができなくなるかもしれません。
またトラック運転者にとっては、お客様の大切な荷物だけでなく、自身の命や安全を守ることができなくなるかもしれません。
そこで、時間外労働の上限規制のほかに、拘束時間、休息期間、運転時間などをきめ細かく定めた改善基準告示があります。
トラック運転者の安全と安心、お客様の荷物と交通の安全等を守るためにも、改善基準告示は、必ず守る必要があります。
改善基準告示の対象者を知ろう
特積(特別積合せ貨物運送)や貸切、積合せの営業形態にかかわらず、改善基準告示の対象者は、労働基準法の労働者(※1)のうち、四輪以上の自動車の運転業務に主として従事する者です。
※1:職業の種類を問わず事業または事務所に使用される者で賃金を支払われる者です。
【ポイント1】自家用トラック(白ナンバー)の運転者も対象
改善基準告示が適用されるトラック運転者は、貨物自動車運送(荷主から運賃などを収受する輸送業務)に従事する自動車運転者に限らず、貨物自動車運送以外の事業に従事する自動車運転者であって、主として人以外を運送することを目的とする自動車の運転の業務に従事する者を含みます。
すなわち、労働基準法上の労働者に該当する場合には、営業用だけではなく自家用トラック(白ナンバー)(※2)で自社の製品等を輸送する運転者にも、トラックの改善基準告示が適用されます。
なお、「自動車運転の業務に主として従事する」とは、個別の事案の実態に応じて判断されますが、物品または人を運搬するために自動車を運転する時間が、現に労働時間の半分を超えており、かつ、当該業務に従事する時間が年間総労働時間の半分を超えることが見込まれる場合を指します。
※2:工場等の製造業における配達業務の労働者であっても、その者が主として運送業務を担当されている場合、トラック運転者に関する改善基準告示が適用されます。
【ポイント2】個人事業主のトラック運転者の実質的に対象
国土交通省「貨物自動車運送事業輸送安全規則の解釈及び適用について」の第3条第3.(1)にて、個人事業主を含めた運転者の勤務時間及び乗務時間を定める基準として、改善基準告示等が位置付けられています。個人事業主は労働基準法の労働者ではありませんが、軽貨物輸送などに従事している個人事業者のトラック運転者も、実質的にトラックの改善基準告示の遵守が求められます。
改善基準告示の「骨格」を知ろう
下記は、トラック運転者に関する改善基準告示に基準として定められているポイントとなる項目を制止したものです。
長距離貨物運送やSA・PA等に駐停車できない場合など、運行実態を踏まえた例外の取扱いも定められています。
拘束時間 | 「1年」の拘束時間 |
「1か月」の拘束時間 | |
「1日」の拘束時間 | |
休息期間 | 「1日」の休息期間 |
運転時間(連続運転時間) | 2日平均1日 |
2週平均1週 | |
「連続」の運転時間 | |
時間外労働及び休日労働(含:休日の取扱い) | 休日の取扱い |
時間外労働及び休日労働の限度 | |
休日労働の回数 |
自動車運転者がより負担の少ない働き方ができるよう、改善基準告示は過去も見直しがされています。言い換えれば、それぞれの時代の労働条件や労働環境と見据えた最適な基準となるように内容が育まれてきているのです。
今回の改正は令和6年4月1日からトラック運転者の業務にも時間外労働の上限規制が適用されること、働き方改革関連法の国会附帯決議においても過労死等の防止の観点から見直しが求められたことを踏まえ、見直しされたものです。
詳しく知りたい方は
お気軽にお電話、お問合せフォームからご連絡願います。